TOBI's BLOG
Pixiv内企画【Pixivの暗黒街(通称:ぴく悪)】及び【Pixiv Heros(通称:ぴくヒロ)】ネタに偏ったブログで御座います。
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2009/03/15 Sun  09:24:51» E d i t
 » 約束~流転の夜 
『…!』

祝福の歌を歌い終わる頃、異変に最初に気付いたのは彼の父、刻雅【トキマサ】だった。彼の気配を読む能力は常人のそれとは常軌を遥かに逸している。
たとえ団欒に気を緩めていたとはいえ、その能力を掻い潜って接近してくるということは只事では無い。
それほどに相手の実力も尋常ではないことを示していた。
その張り詰めた空気に呼応するように程なく母、弓【ユミ】も気付く。

『弓さん。』
『えぇ。囲まれてるわね。』
『しかも相当の手練が…5…いや6人…』
『まずいわね…。』

声を掛け合うまでも無く二人は臨戦態勢に入る。

『弓さん、子供達を頼みます!』
『…、わかった。気を付けてね。』
『貴女も。』

そう言ったか言わないかの間に、おおよそ女性とは思えない瞬発力と腕力で二人の子を弓は抱えあげていた。

『母さん待って!!父さんも!!父さん行こうよ!!ねぇ!!』
『…。刻矢、沙矢、強く生きるんですよ。』
『何で!?一緒に…!!父さああぁぁぁぁん!!』
『行って下さい!!』

そう告げ、駆け出した三人の姿が見えなくなるまで刻雅は優しく強い笑みを称えていた。

『…さて、こんな仕事をしてるんですからそれ相応の恨みを買っているとは思うんですが…どちら様ですか?』

表情から優しさが消え、それでも笑みを崩さぬまま彼の眼に冷酷な光が燈った。
極道の殺し屋という特異な仕事をこなす者の眼だ。

『無言ですか。これから死ぬ人間には必要ないってとこでしょうかね…ですが…あまり甘く見ないで下さいよ!!』

言いながら彼は庭に飛び出し誰もいないはずの闇にナイフを投げた。
甲高い金属音と火花が散る。

『ほぅ防ぎますか。やはりなかなかやる人達みたいですね。ですが…』

言いながらもピンポイントで数本のナイフを同時に投げる。

『受けちゃう辺りまだ甘いですよ。居場所がバレバレです。』

重いものが倒れる音とともに闇の向こうで一つの気配が消えた。
実際のところ、並み、いや一流の者が放つ投げナイフでも相手の実力ならば避けられただろう。
しかしそれだけの実力を有しているにもかかわらず受けざるを得なかったのだ。
それほどに彼の持つ戦いの勘と、しなやか且つ特異なフォームから発せられる投擲能力の異常さは際立っていた。
モーションからどのタイミング、軌道で放たれるのか予測困難なこの能力はよく訓練された者でも普通ならたじろぐものだ。
しかし、まだ残る数人の敵は少しも動揺する様を見せない。
それ程の手練なのか、それとも何かとんでもないものが控えているのか、どちらにせよ彼の焦りと自責の念は禁じ得ないものになっていた。

(甘いのは私の方ですね…。二人ほど向こうに行ってしまいましたし、うかうかしていられませんね。残りは三人…出来るだけ持ち堪えて下さいよ、弓さん!!)

───ジリジリと赤黒く焦げ付くような緊張感の中、目視不可能な闇に紛れて刻雅を囲む二つの気配が同時に揺らめいた。








(以下あとがき)







今更ですが本編第二話です。うん、ホント今更ww
4ヶ月ぶりとかねーわww
しかも書きたいことがなかなか書けない!!これからバトルシーン真っ盛りになるのに先が思いやられますね_| ̄|○
『ここ読みづらい』とか『意味分かんない』とかいった苦情はわりと受け付けますのでご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。
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2008/11/11 Tue  10:15:57» E d i t
 » 約束~泡沫の夢 
どこか切なさを匂わせるような青灰色の空が燃えるような茜に変わり、夜の気配がすぐそこまで迫り来る頃、一際幸せそうな声の上がる家があった。
その幸せな団欒の主役は一人の少年。今日は彼の誕生日だった。

『凄い豪華なご飯だ!!ありがとう母さん!!』
『良かったですね、刻矢。』
『うん!!今日は父さんも一緒だしね!!』
『あはは…いつも一緒にご飯食べられなくてスミマセン。』

少し困ったように笑う父に彼、霧野刻矢【キリノトキヤ】は

『でも大事な時にはいつも一緒にいてくれるからいいよ!!』

と無垢で幸せそうな笑顔を投げ掛け、それを見た彼の父も母も嬉しそうに胸を撫で下ろした。
刻矢の好きなメニューで彩られた食卓も一段落ついてデザート、いや彼にとってはむしろメインディッシュと言っても過言では無いモノが運ばれて来た。
10本のろうそくを灯した生クリームの塔もといバースデーケーキだ。

『凄い!!ねぇ!これ全部食べても良い!?』

目を輝かせる息子を前に父も母もとても幸せだった。

―――しかし

父と母にとって酷く皮肉なことに、彼の10回目の誕生日を祝う家族の歌声とその幸せな空気が、ゆっくりと、しかし確実に迫り来る危険に対する研ぎ澄まされた感覚を、本人たちも気付かないほどだが鈍らせていた。



―――いつの間にか黄昏の柔らかな橙色はすでに漆黒に飲み込まれ、辺りはこの街によく似合う暗黒に包まれていた・・・
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2008/11/07 Fri  23:15:54» E d i t
 » 約束~プロローグ 
30分ほど前に降り出した雨は酷く降りしきり全く止む様子も見せず、ただひたすらに目の前を霞ませている。
それまで夥しい量の黒煙を上げて燃え盛っていた家は、今は見る影も無くただの炭の塊なっていた。

廃墟といっても差し支えないその家の前。年端も行かぬ少年がそこに立っていた。
宝物を奪われまいとするかのように、その細く幼い腕に必死に赤ん坊を抱えて。

(うん。これは雨だ。全部雨。)

土砂降りの雨の中、そう言い聞かせるように彼の顔は笑っていた。
しかしその目は赤く染まり、雨ではない暖かい雫が彼の頬を止め処なく濡らし―――

―――そう。少年は笑ったまま泣いていた。




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